別の日、患者に発熱があったため診察前にドライブスルー検査を行いました。

(看護師)
「一人で問診して検査すると、時間が限られているので患者さんが増えれば増えるほど人出は欲しい…」

医師だけでなく看護師も人手不足な中、心臓や呼吸器に重い疾患があれば、新型コロナの感染は命に直結するため、些細な症状でも見逃せません。この日は、8時間で20人以上を診察しました。

現在フリーランスとして働く宮田医師。岡波総合病院の翌日は、四日市の糖尿病専門クリニックへ。さらに津市の遠山病院で夜勤。多くの病院で診療しています。

宮田医師は、2019年まで伊賀市の別の病院で、勤務医として循環器内科や救急医療を行っていましたが…

(宮田和明医師)
「独立しようという時に、若い子たちを育てていきたいというか、医学教育への熱い思いがありまして」

「若い力をアシストしたい」リアルな現場を伝えるためにフリーランスに

宮田医師がフリーランスになった理由のひとつは、医師国家試験専門の予備校で講師を務めるため。医師不足の解消に繋げようと尽力しているのです。

国家試験を経て、医師になるのは全国で年間約9000人。2022年はこのうち約4000人が宮田医師の授業を受けました。生徒からついたあだ名は「神」。宮田医師の授業が人気の理由は、コロナ禍での問題が関係していました。

(生徒)
「実習は(コロナ禍で)回れなかった科があって、産婦人科と救急と」
「病理学に興味があったが、実習がつぶれて見られなかった」

医学部では最期の2年間に病院などで実習を行い、国家試験でもその経験を問われますが今はコロナ対応のため多くの病院が実習を受け入れていません。そのため、医療の現場にいる宮田医師の授業は他にはない学びがあるといいます。

(宮田和明医師)
「教科書を読んでも分からないですよね。現場のドクターが普段の授業から手技とか実技とか実際の医療現場の問題点とか、リアルの医療の世界を触れさせることができる」

「医師」として「予備校講師」としてフリーランスで働き続けるのは、医師の卵を育てることがさらに多くの患者を救うことに繋がるという思いがあるからです。

(宮田和明医師)
「コロナ禍でどの医療現場も医師が不足している。若い子の力が切実に求められているのでドクターの先輩という立場からアシストできるのは喜び」

宮田医師は今日も医師不足の解消に繋げるため奮闘しています。

CBCテレビ「チャント!」3月1日放送より