「心電図モニタの音は“環境音”」対策は?

病院がまず取り組んだのは「無駄鳴り」の防止。それまで誰にでもつけていた心臓や酸素のモニタを症状や年齢などに応じて、本当に必要な患者にだけつける、アラームが鳴る基準も患者ごとに設定するなど、ルールを定めたのです。

(さいたま市民医療センター 冨田晴樹看護師長)
「“心停止に近いアラームしか鳴らさない”というのを徹底して、アラームの数は今は(改善前の)10分の1くらいになった」

この上で、病院内の至る所にアラームを知らせるモニタも設置。本来の意味の緊急事態として認識できる様にしました。

(さいたま市民医療センター 冨田晴樹看護師長)
「心電図モニタの音は“環境音”なんです、その(鳴り続ける)環境であれば、必ずまた次が起こるので、やるべきことは病院としてその対策を立てるということが必要」

国は2015年、医療事故調査制度を施行させましたが、この10年で起きた医療事故は3533件。減ったのか増えたのか、それ以前に調査や記録をしてこなかったためわかりません。

(名古屋大学附属病院 患者安全推進部・長尾能雅教授)
「人間誰もがミスをする。医療者も必ずミスをする。でも私たちの場合、患者の命や健康被害につながってしまっては元も子もないので(ミスを)なくす。人類の課題と言ってもいい」

生と死が交差する医療の現場で安全をどう高めるのか。重い課題を問いかけています。

CBCテレビ「ニュースクロス」2025年11月20日放送より