「マザリーズ」を使うのは母親だけじゃない?

赤ちゃん言葉で自然と話しかけてしまうことは、母親だけでなく、父親や祖父母、血のつながりがなくても、守ってあげたくなる存在が目の前にいる人なら、誰にでもあり得る現象で、愛情表現の一種だと考えられています。

児玉さんの実験では、赤ちゃんはマザリーズで話しかけられた方向に顔を向けることが分かっています。
さらに、赤ちゃんが泣いていてもマザリーズで話しかけると泣き止むという実験結果もあり、これはマザリーズの音声が赤ちゃんに安心感を与え、感情の安定を促していることを示しています。

これらのことから赤ちゃんは大人向けの話し方よりも、赤ちゃん言葉である「マザリーズ」を好むことが明らかです。

出典:内山伊知郎監修 児玉珠美・上野萌子編著『0・1・2歳児の子育てと保育に活かす マザリーズの理論と実践』北大路書房のデータを基に筆者作成