「ヘルプマークに酷似したグッズ」が物議
「ヘルプマーク」の悪用や転売の実態を取り上げた放送(10月6日)の3日後、Twitterを眺めていると、思いがけないニュースが目に飛び込んできた。
シンガーソングライターの椎名林檎さんが発表した11月発売のアルバムの関連グッズがヘルプマークに酷似しているとして波紋が広がっていたのだ。
ヘルプマークを利用する当事者達からは「紛らわしいデザインが流通すると、助けを必要としている人がわかりにくくなり、命に関わる」といった怒りの声が上がる。
また、「#ヘルプマークをエンタメ消費しないで」といったハッシュタグも拡散し、グッズのデザインの変更を求める署名運動も見られた。

きっかけは…夜の街で聞いた“病みアピ”
夏休みも終わり新学期が始まった9月、私は、学校や家庭に居場所がなく、夜の街をさまよう若者たちの実態を調べるため名古屋の繁華街で取材を続けていた。
話を聞いたのは"地雷系"と呼ばれるモノトーンの服に身を固めた17歳の少女。会話の中で、気になる言葉が出てきた。
「最近、友達の“病みアピ”がヤバイんですよ」
“病みアピ”とは一体なんなのか…? 少女は説明する。
(少女)
「リストカット(手首を切る自傷行為)の写真をSNSに投稿したり、OD=(風邪薬の一気飲み)をアピールする。心配してほしいがためにヘルプマークを“見せびらかしている”子もいるよ」

ヘルプマークは外見ではわからなくても障害や病気で支援が必要なことを知らせる“SOS”のサインだ。
それを“病みアピ”のために使っている若者がいるという。果たして本当だろうか…?
私はネット検索で「ヘルプマーク」と打ち込んでみた。
すると、『ヘルプマーク可愛い』『悪用』などのキーワードが候補に出てきた。


ヘルプマークは一体どんな使われ方をしているのだろうか。街で聞いてみることにした。
(女子高校生)
「TikTokで地雷系の人が”病んでます“とアピールするのに使われているのを見ました。その人たちのせいで、ヘルプマークの価値が落ちちゃうのは嫌だな」

さらに別の少女は、ヘルプマークをめぐって炎上した動画の存在を教えてくれた。