能登に残るか金沢に移住か 家族の決断

山本さん一家は地域の人々にとっても特別な存在です。
谷内信子さん(78)は山本さんが東京から移住した頃からの付き合いで、山本さんの長男・泰生くんが金沢から帰ってきたときは必ず顔を見に行きます。

(谷内信子さん)
「(泰生くんが)小さいときはいつも家に泊まっていました。いちゃけなくて(かわいくて)どうにもならんです」
輪島市では地震の後、人口の約3割が流出したと推定される中、山本さん家族の選択は…
泰生くんの小学校入学にあわせて金沢との2拠点生活をやめ、家族3人もう一度、輪島市で暮らすことにしたのです。
(山本さんの妻・晶子さん)
「ちょうど金沢の暮らしも慣れてきたところだったので、結構迷いはあったんですけど。金沢で心配なく暮らせるからといって街の暮らしを選んだとしても、そこで友達もできて楽しいけど、便利だから幸福度が高いかというとそれは違うんだなと金沢に出て思った」
偶然にも谷内さんと同じ仮設住宅でした。

(谷内信子さん)
「泰生と一緒になるなんて。お泊まりに来れるかな?」
「なんか元気出た、泰生見たら」

能登を襲った地震から1年あまり。復興の道筋は見えてきませんが、住民同士の絆を取り戻す動きは少しずつ進んでいます。
CBCテレビ「チャント!」2025年4月9日放送より