“オンリーワン”ゆえの問題も・・・打つ手はあるか?

第一には人口増加による混雑。通勤通学時の朝はまさに超満員です。

ゆとりーとラインの1日あたりの利用者は開業当初5000人ほどでしたが、いまは約1万2000人と倍以上に。
朝は2分間隔で運行していますが、一台のバスに乗れる人数は70人程度で、鉄道ほどの輸送力はなく、限界に近づいています。

(名古屋ガイドウェイバス 林史彦さん)
「これ以上通勤通学のお客様が増えていくと厳しい」

そして第二の問題が…

(大石)
「新しく造り直すことはできないのでしょうか?」

(名古屋ガイドウェイバス 林史彦さん)
「開発に携わった当時の技術者が退職して居ないことや、開発当時のラインもないため、(メーカーに)協力をすぐにしてもらうのが難しい」

ガイドウェイバスは、当時の建設省が主導のもと、案内輪や運行システムを鉄道メーカー、車体は自動車メーカーと複数の企業が共同で造りましたが、最も重要な「案内輪」の製造をメーカーがやめていて、 技術も継承されていないため車両を新しく造ることができないのです。

ガイドウェイバスを導入した名古屋市は…

(大石)
「ガイドウェイバスは新規で造ることはできないと聞きました。名古屋市としてはどうしていくのでしょうか?」

(名古屋市交通事業推進課 福田篤史課長)
「最近開発されている自動運転技術に着目し、それを使って高架の走行路を正確に走行できる次期システムにしていきたく検討を進めています」

名古屋市はゆとりーとラインのレール幅やカーブなどを再現した道路でバスを自動運転で走行させる実証実験を行っています。もう一つの課題、朝の混雑対策については…

(名古屋市交通事業推進課 福田篤史課長)
「(車両の)2列目が無人でついていくような隊列走行も(国内で)一部やっているので、そのような技術で検討していく可能性もある」

(大石)
「高架は残してバスやシステムを変えていくということですか?」

(名古屋市交通事業推進課 福田篤史課長)
「はい」

数少ない人口増加地域となっている志段味地区唯一の公共交通をどうするのか。
先行き視界良好とはいえない様です。