国は暫定目標値から強制力のある“基準値”に切り替えるが…
一方、各務原市とは違って岡山県の吉備中央町は去年11月から12月にかけ、PFASの血液検査を公費で実施しました。町の思いは…。

(岡山・吉備中央町 山本雅則 町長)
「対象者の人々は心配が大きいと思います。長期にわたって、しっかりとお支えし寄り添って少しでも不安の解消に努めていく」
この時の検査では町民709人の9割がアメリカの指標値を超えたことが判明しました。

しかし、国は…。
(環境省 浅尾慶一郎 大臣)
「現時点の知見では、どの程度の血中濃度でどのような健康影響が生じるか明らかになっておらず、血液検査の結果のみで健康影響を把握することは困難。国内外の知見の収集を推進するとともに、化学的に評価可能な疫学調査を推進していきたい」

各務原市の住民の気持ちを思えば、もどかしさを感じる環境大臣のコメントでしたが、国は先月に1リットル当たり50ナノグラムという暫定目標値を単なる目安にするのではなく、強制力のある「基準値」に切り替える方針を決定しました。早ければ再来年から水道事業者などに水質の維持が義務付けられます。

2020年度以降、PFASが水道水や地下水から検出された自治体は14。
世界的な問題となっている今、日本でも本腰を入れたPFAS研究や対策が求められます。