「自分も通勤で乗っていたバス。運転手の顔もほぼ全員知っている」
(名古屋市北消防署 纐纈吉博警防地域係長)
「追突したことで、バスの後部ガラスが割れていた。そこから脱出したと(言っていた)。窓ガラスが割れて逃げる動線ができたのは、非常に大きなことだった」
乗客6人と、乗用車を運転していた男性1人の無事を確認した一方で、目の前には真っ赤な炎を上げるバスが…。
(名古屋市北消防署 纐纈吉博警防地域係長)
「とにかく大量の水が要る。高速道路上には消火栓がないので、(10トンの)水を積んだ水槽車を、早く近くに寄せて消そうと考えた。逃げ遅れが何人いるかわからない、バスの中にいるかもしれない。下敷きになっているかもしれない。とにかく早く消火して、人命検索を行うよう指示した」

纐纈さんは自身の経験から、運転手が車内に取り残されている可能性に気づきました。
(名古屋市北消防署 纐纈吉博警防地域係長)
「あおい交通、実は5年間消防航空隊に勤務していた時に、自分が通勤で乗っていたバス。運転手の顔もほぼ全員知っている。けが人の中に運転手がいなかったので、もしかしたら、中に取り残されているのではと」
火はおよそ2時間半後に消し止められましたが、焼けたバスからは運転手の大橋義彦さん(55)と、乗客の利光克仁さん(64)が遺体で見つかりました。
(名古屋市北消防署 纐纈吉博警防地域係長)
「我々の仕事は“人を助ける”、これが一番重要な仕事。2名を助けられなかったことは非常に心残り」
悲惨な事故が二度と起こらないように…。纐纈さんは、バスの安全管理体制の強化を強く訴えています。