救急車の存在を知らせる最新技術も

こうした中、救急車の存在を知らせる最新技術「ITS(アイティーエス)Connect(コネクト)」の開発が、自動車各社の協力で進められています。

トヨタ自動車は無線技術を使ってドライバーに緊急車両の接近を知らせるシステムを実用化。

「ITS Connect」を搭載した救急車が緊急走行をしている際に電波を発信し、同じシステムを搭載した車に位置や方向を知らせます。

これによりドライバーは、いち早く救急車の存在を把握してよけられるのです。

2018年に名古屋市と豊田市の公道で行われた実証実験では「ITS Connect」を搭載した救急車の緊急走行時間が平均で7.7% 短縮されました。

(ITS Connect推進協議会 西川美津江さん)
「車の遮音性が上がったりして、音はするけれど、どっちから(緊急車両が)来ているか分からない。ITS Connectを使っていただくことでスムーズな運転行動が期待できます」

この機能が搭載されているのは救急車で全体の約2割、一般車両はまだ40万台ほど。
一般車両は250台に1台の割合でしかなく、普及には時間がかかりそうです。

緊急出動の現場が抱える「到着の遅れ」という大きな課題。
技術は日々進歩していますが、何よりも大切なのは、落ち着いて道を譲る意識なのです。