
「リフィーディング症候群」。
栄養不足の人にいきなり多量の栄養を与えると、ショック症状が起き、最悪の場合、死亡する病気です。
鳥取城の兵糧攻めは、医学界では、リフィーディング症候群を説明する逸話として語られてきましたが、それを証明する論文はありませんでした。
山本さんの専門は、中世の歴史。
3年ほど前、2人の医師から共同研究の話を受け、「信長公記」と「豊鑑」という文献に、「秀吉がかゆを振舞ったところ大量に食べたものは死に少しずつ食べたものは生き残った」という内容が記されていたことに着目しました。
鳥取県立博物館 山本隆一朗 学芸員
「もっと古いリフィーディング症候群らしき事例がありますが、そこにはそういう細かい助かった助からなかったの境界が食事量にあったかまで書いてなかったりするので、そういう細かい記述がある資料が残っている意味でも、鳥取城の戦いのリフィーディング症候群というのは非常に意義深い事例です」