■事件当時「正常な人間はいなかった」

達子さん
「これはまずい。行ったことがある所だ。そこから気持ちが『がー』となりました」

達子さんは、長女と2人で京都アニメーションの本社に向かいました。向かう途中の電車の中で「娘が生きてて他の人が死んでいたら、娘は苦しむだろう」と考えていました。しかし、それとは逆の事が起きてしまったのです。

本社では多くの人が泣き崩れ、ほどなく美希子さんが病院に搬送されていないことを聞かされました。

そして約1週間後、DNA鑑定の結果が出たとの知らせを受け、家族4人で遺体と対面しました。

達子さん
「見ない方がいいよと言われましたが、見ないという選択肢は私の中にはありませんでした。
最初に口火を切ったのは私で『会います』と言いました。主人は『骨格があの子』と言い、兄は『ひどい』、長女は歯を見て『あの子だ』と。私は、この子の姿を誰にも見せられない、隠さないとと思いました」