速水萌々音さん
「ずっとこのまま最後まで保ってるというのが、なかなか難しいんです。一つのことに集中してしまうと周りが見えなくなっちゃうので、どう優先順位をつけたらいいのか、一人で考えるのも苦手です」
速水さんは、手先を使う細かい作業や計算、抽象的な表現や複雑な会話の内容を理解するのが苦手です。小さいころ小児てんかんを発症した後遺症から、小学1年生の時に軽度知的障害と診断されました。当時の主治医には、小学6年生の学習までしかできないとも言われ、友達とのつきあいで悩むことも多かったといいます。
速水萌々音さん
「私は今でも小学4年レベルぐらいの学習しかできないんです。小学2年3年生ぐらいの時は語彙もさらに幼くて、本当に子ども子どもしていたから。私が聞いたことない言葉だったり、聞いたことがない内容の話だったりすると、まったく何を言ってるのか分からなくて。この話題を話しても良いのかと思いながらも言うんですけど、周りに『え、何?』みたいな表情をされると困惑してしまって…」
小学3年の時から特別支援学級に通うようになりましたが、パニック障害など二次障害も併発。高校卒業後に就職したものの、接客への不安などから仕事を続けられず、解離性障害を発症したこともありました。
先輩店員
「ちょっと10分休憩しておいで、休めなくなっちゃうから。この間の土曜日忙しかったでしょ?」
ペース配分を考えて動くことも苦手です。この日も前半から飛ばしすぎてしまったようで、少し疲れた様子です。
そんな速水さんにはもう1つの顔があります。