マスクを着けるのか、外すのか、戸惑いが広がっています。岸田総理は卒業式でのマスクについて「着用しないことを基本」にと表明しましたが、学校側の本音は、実は複雑です。

岸田総理

「卒業式においては、換気など感染に対策を講じた上で、国歌等の斉唱や合唱のときを除き、児童生徒と教職員はマスクを着用しないことを基本としたいと思っています」

政府はマスクの着用について、3月13日から屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねる方針を決定。

総理は10日、卒業式では「マスクを着用しないことを基本」にと表明しました。

今回の表明を受け、実は学校側には戸惑いも広がっています。


13日、鳥取県米子市内の高校を訪ねると…

米子北高校 吉川隆司 校長

「『マスクが邪魔だ』という子に対しては、マスクを外すということはすごく歓迎ムードだと思います」

米子北高校では去年・おととしと同様に広い会場・米子コンベンションセンターでの卒業式を予定していて、国歌や校歌の斉唱もしません。

しかし現時点では、マスクは持ってきてもらう方針で、式でも「外さなくても良い」と、きちんと呼びかけたいとしています。

その理由が…


米子北高校 吉川隆司 校長

「高校3年生というのはまだ就職活動にしても受験にしても、卒業式直後に控えている子たちもいます。感染が万が一広がれば、そこに大きな支障が出てくるだろうと思います」

卒業式後に大学受験や就職試験を控えている生徒もいるため、どのような呼びかけをしたら良いか、決めかねているのが実情です。


ただ、本音は…

米子北高校 吉川隆司 校長

「全員にマスクしなさいって言ってあげたほうが一番安心だと思います。でも、外してもいいよって言った時に、受験などを控えている生徒たちが式に出席できるような理解を求めていく必要があると思います」

卒業式でのマスクをどうするか。「外す」という選択肢が大きく現れたことで、学校側の判断が、より難しくなったと言えるかもしれません。