小さく生まれた赤ちゃんとその親を支える手帳の配布が、鳥取県でスタートしました。
「生まれてきてくれてありがとう」をたくさん伝えて欲しい。そんな祈りが込められたリトルベビーハンドブックとは。
去年、ツイッターで話題となったある投稿があります。
「わずか476gで娘が産まれました。ほんとにほんとに小さい。」

大きな管をつけた小さな赤ちゃん。
その体重は、ペットボトル飲料よりも軽い476g。
超低出生体重児のいっちゃんです。

いっちゃんのお父さん
「僕がいっちゃんに初めて会った時は、こんなに小さいのかっていう、ただただそれだけでした。」
生まれてすぐは、酸素もミルクも管を通して摂取。
そして、脳内出血などいくつもの困難を乗り越え、今ではその体重は生まれた時の10倍となり、すくすく成長しています。

そんなリトルベビーとその親に寄り添う「手帳」があります。
鳥取大学医学部附属病院 美野陽一 外来医長
「これがリトルベビーハンドブックです。」
とっとりリトルベビーハンドブック。
全国に先駆け導入された静岡県を参考にして作られ、鳥取県でも1月から配布が始まりました。

鳥取大学医学部附属病院 美野陽一 外来医長
「順調に成長していても、成長曲線から大きく外れるように見えたりとかするが、そういったことがないように、小さく生まれた赤ちゃんでも十分成長曲線がしっかりと追えるような配慮がなされている。」
こちらは、市町村で配られるいわゆる母子手帳の発育曲線グラフ。
体重は1キロ、身長は40センチから目盛りが始まっていて、超低出生体重児の場合、小さすぎて成長記録を最初から残すことができません。
一方、リトルベビーハンドブックは体重は0キロ、身長は20センチから。
そして、自由記述欄も多く、成長の記録や思いをしっかり残せるつくりになっていて、主に体重1500g未満の赤ちゃんを対象に県内のNICU新生児集中治療室などで配られます。

体重1500g未満で生まれる赤ちゃんの割合は、全体のほんの数パーセント。
実際に今、ハンドブックを使っているいっちゃんのお父さんも、その存在は大きいと話します。
いっちゃんのお父さん
「(生まれてすぐは)何もわからないんですよね。超低出生体重児で生まれると思っていないので。こういう病気があるんだなとかはすごい参考になるし、私自身もかなり救われた部分がある。」