寒い日が続き乾燥しがちなこの時季。バチッと音が鳴り痛みも伴う「静電気」、いやですよね。
この静電気、時として大事故につながる可能性も潜んでいるといいます。


記者 土江諒
「いたっ!」

扉を開けようとした記者を襲ったのは静電気。
あの「バチッ」という音と痛み、ドアノブを触るのを一瞬躊躇しませんか?

原因は、衣類に溜まった静電気で、乾燥する時季は湿度が高い時季に比べ空気中に静電気が放電されにくい状態となるため、衣類に溜まりやすくなるといわれています。

この静電気、気をつけないと大事故につながる可能性もあるんです。

静電気による引火実験。
静電気を帯びた金属製の鍵をガソリンに近づけると…。
小さな火花が発生したちまち炎が上がりました。

ガソリンスタンドで見かける静電気除去パッド。
専門家は給油する際、必ず触って欲しいと呼びかけます。

鳥取大学工学部電気情報系学科 西村亮准教授
「黒いパッドは最終的に地面につながっています。それに触ることで人体が地面に接触するのと同じ。そうすると電気を逃がすことができる」

消防庁の消防白書によると、2020年、ガソリンスタンドなど全国の危険物を扱う施設で起きた火災のうち、「静電気火花」が原因のものが最多でした。

この時季厄介な静電気。
軽減する方法はあるのでしょうか?

鳥取大学工学部電気情報系学科 西村亮准教授
「簡易的には湿度をあげることですね。加湿器などを使って」

予防法①、加湿です。
エアコンを頻繁に使うこの時季、静電気が発生しやすい乾燥した環境となるため、湿度を上げ、電気を逃がすことが重要です。

鳥取大学工学部電気情報系学科 西村亮 准教授
「特にナイロンなんかは帯電しやすい。木綿なんかは帯電しにくい。特に吸湿性のあるものは帯電しにくいと考えてください」

予防法②、服選び。
ニットや保温性が高いインナーよりも、吸湿性があり電気を帯びにくい綿素材の服を選ぶと良いとのこと。

そして、予防法③、除去グッズを使う。
市販のスプレーやネックレスなどが効果的だということです。

鳥取大学工学部電気情報系学科 西村亮准教授
「ガス漏れが起こった時は、電気のスイッチ入れるなと良く言われていますが、何かのはずみで静電気でバチンとくると着火しますから、事故のもとになります」

静電気に潜む危険。
まだまだ寒く乾燥する日が続く中、一層注意が必要です。