統合してできる鳥取県倉吉市の新しい小学校の名前について、市民応募が150件あった校名ではなく、応募わずか1件の学校名が候補に決定し、賛否の声が上がりました。
市議会では、市長が議案の取り下げを求めるなど異例の事態に…
一時紛糾した市議会がくだした結論とは。

22日の倉吉市議会本会議。
広田市長が、ある議案の取り下げを求める異例の形で始まりました。


倉吉市 広田一恭 市長
「議案の撤回について、その理由を説明します。倉吉市立小学校及び中学校設置条例の一部改正についてです」

倉吉市にある成徳小学校と灘手小学校の2校は、来年度統合することになり、新しい学校名の候補を決めました。
それが「倉吉市立至誠小学校」です。


しかし、この名前の決定をめぐり、疑問の声が上がりました。

新しい学校名を決めるにあたり、統合準備委員会は4月、市民に学校名の案を募集しました。
20日間で341件、119種類の案が寄せられたということです。

ここから、準備委員会が2地区で2案ずつ、計4件を選び、さらにそこから1案ずつ、2案に絞りました。
その2案が「至誠小学校」と「打吹小学校」でした。

そして準備委員会の中での決選投票で決定したのが「至誠小学校」だったというわけです。


市教委によりますと、市民から寄せられた341件の応募のうち、150件が地元の地名にも由来した「打吹(うつぶき)」でした。
対して「至誠小」の応募は、わずか1件。


数の多さで決めるという決まりはありませんでしたが、150対1がひっくり返った結果に、選考過程の不透明さを指摘する声が上がりました。

地区の有志団体から校名の再考を求める陳情書が提出されるなど、市にも意見が数多く寄せられ、市議会の議論に注目が集まっていました。


倉吉市 広田一恭 市長
「新たな小学校の校名選定の過程について、議員の皆様そして市民の皆様から様々な意見・指摘を聞いています」

市長は「議案取り下げ」の求めましたが、議会は賛成少数で不承認としました。

続いて、常任委員会から報告されたのは、今回の議案の「継続審査」。
討論では議員たちから様々な意見が出されました。

議員
「ルールに則って運営がなされているわけで『選考過程に問題がある』そうしたことはありません」
「一刻も早く終止符をうち、新たなスタートを切る時です。どうか皆さん本質を忘れないでください。本質それは『児童の教育』です」


そして「継続審査」の委員長報告は否決されてしまい、本会議は一旦休憩。
再度、常任委員会で協議が行われました。