それから1か月後、吉岡さんを訪ねると、これまであまり語りたがらなかった過去の話を、ポツリポツリと語り始めました。

以前は農業に携わっていたそうです。

吉岡さん
「力仕事は力仕事。夏なんかは汗びっしょりにしとったけん。畑は草ボーボーだろうね、どうなったか分からん。何か月も経ってるし、どうなっているか分からん。病院生活も長いなと思う、ほんに…」

突然失った自宅。変わり果てた自分の姿。
一時は自暴自棄に陥ったこともあったそうですが、退院したあとに挑戦したいことも考えるようになりました。

吉岡さん
「挑戦、挑戦なぁ、車の運転や仕事ができればと思うけど…こんなことも言うけど、そりゃビールなんかも飲みたいかもしれませんよ」

驚異の回復を見せた吉岡さん。
9月にはリハビリ中心に治療が進められる病院へと転院することが決まりました。

病院スタッフに別れを告げる吉岡さん(仮名)


吉岡さん
「さよなら、また会える日を」

お世話になった医療スタッフに別れを告げます。