猛暑に強いとされるコメの新品種「コシヒカリ新潟大学NU1号(通称:新大コシヒカリ)」の県外初栽培に向け福島県天栄村で21日、意見交換会が開催されました。

開発者である新潟大学社会連携推進機構の三ツ井敏明特任教授と地元生産者らが、最先端の知見と伝統技術を融合させる新たな挑戦について議論を交わしました。

今回の意見交換会は、天栄米栽培研究会の事務局を務める天栄村役場産業課が主催。村内の6軒の生産者や、新大コシヒカリの販売を担う越後ファームの関係者が出席しました。

天栄村は世界最高峰のコンクールで数多くの金賞に輝く「天栄米」の産地として知られており、この高い技術力を背景に、新潟県外で初めて「新大コシヒカリ」の栽培に乗り出します。

三ツ井特任教授の説明によると、同品種は近年の猛暑による品質劣化に対応するために開発されました。高温だけでなく乾燥や冠水にも強い「マルチストレス耐性」を備えているのが最大の特徴です。
特にコメの見た目の美しさや品質を示す指標である「整粒値(せいりゅううち)」の高さが注目されています。気象条件が厳しい年でも、従来のコシヒカリと比較して10ポイント以上の差がつく可能性があり、安定した高品質出荷が期待できるといいます。

これまで国際的なコンクールで14回の金賞受賞を誇る「天栄米栽培研究会」に対し、三ツ井特任教授は「高い技術力を活かし、ぜひ国際大会での入賞を目指してほしい」と期待を寄せました。

会議では具体的な栽培技術も議論されました。肥料や水の管理に加え、極低濃度の過酸化水素を実りの前に散布することで植物本来の生命力を引き出す手法などが示されました。
試食した生産者からは「しっかりとした粒感がある」「もちもちしすぎない食感を好む層に合う」と高い評価を得ています。

天栄村での「新大コシヒカリ」の栽培面積は2.8ヘクタール、収穫量は約12トンを見込んでいます。田植えは5月中旬に行われ、今秋に収穫されるコメは、2026年末に福島県須賀川市で開催される「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」へ出品される予定です。