アフガニスタンとパキスタンで35年にわたり、病や貧困に苦しむ人々に寄り添い続けた中村哲医師が2019年12月4日、車で移動中に何者かに銃撃され、その後死亡が確認されてから6年。

活動を追いかけたドキュメンタリー「劇場版 荒野に希望の灯を灯す」が10日、
新潟県柏崎市の新潟工科大学で上映されました。

中村哲医師は、1946年に福岡市生まれ。九州大学医学部を卒業後、病院勤務を経て、1984年にパキスタン北西辺境州の州都ペシャワールの病院に赴任しました。
難民キャンプや山岳地域での診療へと活動を広げ、1991年にアフガニスタンに最初の診療所を開設されました。

アフガニスタン東部山岳部の3つの診療所を中心に医療活動を行う中、2000年に大干ばつがアフガニスタンを襲います。中村医師は、医療だけでは人の命を救うことができないと、1600本の井戸を掘り日本伝統の治水技術を用いて灌漑用水路を築きます。

その後も,ペシャワール会の現地代表として常に医療や国際協力の現場で先頭に立ち、農地の回復や開拓を続け、2019年までに1万6500ヘクタールの大地を緑に甦らせ、多くの人々に水の恵みをもたらしました。

今回の上映会は、新潟工科大学・五十嵐賢次教授の「産業探求」授業の一環で、2年生100人以上の学生が真剣な眼差しで聴講しました。

【映画を見た大学生】
「強い信念を感じた。自分にもできることがあると思うので、学生生活の中でこれから探していきたい。」
「正直、凄いの一言。でも私も自分の夢に向かって努力していきたい」

学生たちの関心は高く、中村医師の意志が次代を担う若い学生たちに確かに受け継がれているようでした。