8日には湯沢町で、9日は新発田市で、けが人が出るなど、新潟県内ではクマの被害が相次いでいます。さらに10日には、海岸地帯の聖籠町にもクマが出没しました。

【記者リポート】
「国道7号・新新バイパスの東港インターを降りてすぐの、このあたりでクマが目撃されたということです」

聖籠町によりますと、聖籠町藤寄を通りかかったドライバーから「正午ごろに東港インター近くでクマを目撃した」と町に連絡があったということです。

目撃現場近くの水路を挟んだ向こう側は新潟市北区で、近くには住宅もあります。

【近隣住民】
「ぶるぶるして身震いしました」
― 近くでクマを見たことは?
「全然聞いたことありません」

新潟県内でも各地で目撃情報が相次いでいるクマ。
9日の日曜日には、けが人も出ました。

クマが現れたのは、新発田市向中条にある民家の敷地内です。

【被害男性】
「私に覆いかぶさるような感じで、わき腹に一撃受けまして…」
「まさかうちに出るとは思いませんでした」

クマに襲われたときの状況について話す男性。
わき腹には、クマに引っかかれた際にできた傷が残っています。

【記者リポート】
「クマはあちらのやぶから現れ、ここにいた男性に向かってきたということです」

警察によりますと、9日午前7時15分ごろこの家に住む60代男性が裏庭に出たところ、体長1mほどのクマに遭遇。
男性は逃げる途中で転び、左わき腹を引っかかれる軽傷を負いました。

【被害男性】
「よくテレビで“後ずさりして”なんて言うけど、そんな余裕なかったのが、私の気持ちです」

周辺の道路には、別の民家へと続くクマのものと見られる足跡も。
そして、その足跡の先では…

【近くの住民】
「クマがガラス戸を破って中に入ろうとしていた。これがその跡」

60代の男性が襲われたおよそ10分後、100m離れた別の民家でもクマが目撃されました。

「窓ガラスに黒い影があるし、見たら、クマが窓ガラスをよじ登ろうとしていて怖かった。“腰抜かす”って感じでビックリ、こんなところに出るとは思わなかった」

近くで目撃が相次いだことで、近くの寺の住職は「法要にも影響があった」と話しました。

「ちょうど、たまたま法要があって。すぐ入ってくれ、お墓参りもしないでくれと…。お墓参りはしないで、本堂のところで法要をしただけ。クマが怖いから」

そして8日には観光地でも…。

被害があったのはJR越後湯沢駅から200メートルほどの温泉街です。

【記者リポート】
「クマは、こちらの駐車場で男性を襲った後、北西方向に逃げていったということです」

警察によりますと、温泉旅館に宿泊していた30代の男性が駐車場でクマと出くわし、左腕をかまれたり左手の甲をひっかかれたりして、軽傷を負ったということです。

【観光客】
「ホテルの放送が入って『近くでクマが出たので注意してください』って」
「怖いですよね、きょうも外出するのどうしようかなって」

温泉街でクマによるけが人が出たことに、地元の人も驚きを隠せません。

「ここまで来たのかって感じですよね。普段、山登っていたんですよ、今まで。今年は怖くて山登りできないです。一度も行っていない」

生活や観光へも影響が出ているクマの出没。
今シーズン、新潟県内のクマによるけが人は16人目で、県は『クマ出没特別警報』を出して厳重な警戒を呼びかけています。