新潟水俣病の“公式確認”から60年。
今もなお患者や被害者は、症状のみならず“差別や偏見”とも闘っています。

新潟市東区に住む菅原ハルさん(85歳)は40歳のころから、手のしびれや震え、こむら返りなどの症状に苦しんでいます。

「本当にね、こむら返りが起きると足がすごく痛くて」
「この足を何とかしてくれ、この足はもういらないっていう…」

粉コーヒーを入れるスプーンを持つ手は小刻みに震え、お茶うけのお菓子の箱も、なかなか包みを開けられません。

「紙を手で切れない―。剥げないっていうか、力が全然入らないんですね…」

1961年に結婚し、現在の新潟市北区で9年間生活していました。
目の前を流れる阿賀野川で取れた魚を毎日のように食べていたそうです。

「悪いものが入ってるっていうのが全く知らないから」
「なんでこんな大きな川にあんなものを流したのか…」