新潟県内の児童相談所に寄せられた虐待の相談が4200件あまりと過去最多だったことがわかりました。特に表面化しにくい心理的虐待が過半数を占めています。どういったケースがあるのか、児童相談所に取材しました。
県のまとめによりますと、2023年度に県内の児童相談所で児童虐待の相談を受けて対応した件数は4265件でした。2021年度から3年連続で増加していて過去最多となっています。

年齢別で見てみますと、7歳から12歳が37パーセントを占めていて、3歳から6歳が24.5パーセント、0歳から2歳が15.1パーセントと続きます。

虐待の種類別で見てみますと、心理的虐待が過半数を占めていて、身体的虐待、ネグレクトと続きます。

過半数を占める「心理的虐待」とはどういったケースがあるのか新潟市 児童相談所に聞きました。

【新潟市 児童相談所 小林徳規 所長】「一番多いのはお父さん、お母さんの口論、いわゆる夫婦喧嘩を子どもの前で実施すると、それは子どもに対する心理的虐待に繋がっていくものとして発生する」

身体的虐待に対して心理的虐待は表面化しにくく、子どもの成長に影響が出てくると言います。

【新潟市 児童相談所 小林徳規 所長】「ずっと(心理的虐待が)その家庭で継続して行われることで、(子どもの)脳にも影響が来るとか、友達とのコミュニケーションにも影響すると現場では見ていますね」

児童虐待を減らすために当事者以外も考えるべきことがあるとしています。
【新潟市 児童相談所 小林徳規 所長】「そこ置かれている子どもがどういう心境になるのかを周りが知らないといけないんですね。子どもさんがどう思っているかを周りが理解しないとこれは減りにくいと思います」

県は大幅に増えた要因として児童虐待への認知が広がったことなどを挙げ、「児童相談所の態勢を強化させ、関係機関と連携していきたい」としています。
