姫川病院が閉院した年に、地元・大野区の副区長を務めていた元区長の新井春雄さんは、当時から糸魚川市に対応を求めてきました。

「当時、弁護士に、糸魚川市がその気になれば解決するんじゃないですか、努力しなさいよ、って話聞いたから挑戦したけども…(ため息)。まだ駄目だわ…」

現区長の磯野健一さんら地元住民も、引き続き市へ対応を求めています。

「今現在、大野地区にとってはマイナスの施設になっていますね」
「個人ではなかなか解決することが難しいと思っておりまして、行政等に相談し、お願いしているところです」

こうした声に対して、現時点で糸魚川市は
「建物については、所有者である組合の法人登記が閉鎖され、法人としての実態がないことから、管理者不在の状況と認識しております。市は土地・建物の権利者ではないことから、現状では法的に対応が困難です」としています。

空き家問題に詳しい、美咲総合法律税務事務所の五十嵐勇弁護士は、行政が対応できる方法として、空き家の解体を所有者に代わって行う『行政代執行』が考えられるとしつつ、本来は建物の倒壊などで通行人や近隣住民に危険が及ぶ場合に行なわれるものなので、現状では耐震性の面で“要件”を満たしていないのでは、とも指摘しています。

「廃墟と化していて不特定多数の人がやってくると住民としては不安かもしれないが、ある程度敷地も広い中ですぐに“倒壊の恐れ”があるかと言えるか微妙なところ。倒壊があっとしても、今すぐやらないといけないレベルなのかと言われると、その法律の要件を満たすのは難しいのかなと…」

地域住民が頭を悩ます中、果たして解決の糸口は見つかるのでしょうか。