火災時の避難で重要なのは、
「火から遠ざかること」
「煙を吸わないようにすること」です。
煙や炎でビル内が充満し、階段が燃えていて、地上階まで降りることができない。
あるいは、すぐ下のフロアが燃えている といった場合もあると思います。

状況によってはもちろん、上に逃げることが正しいとは限らない場合もあります。
2019年に発生した京都アニメーションの放火事件を受けて、京都市消防局が作成した『避難指針』では、建物内の煙の状況に応じて人命危険レベルを設けています。

≪レベル1≫
階段に煙がなく使用可能な状況。
この場合は階段を利用して地上や下の階に避難。
≪レベル2≫
煙により階段が使用できない状況。
階段以外からの避難ということで、窓やベランダなど外気に触れる場所への避難や屋上などの避難スペースで救助を求める。
≪レベル3≫
階段やフロアに煙が充満している危険な状況。
身を低くし、最小限の呼吸で冷静に避難。光や壁を頼りに、窓やベランダまたは直近の一時避難スペースを探す。
【能美防災広報室 岡部和貴 室長】
「時と場合によると思います。火災の階が下の場合ですと、下からどんどん煙が上がってきたりしますので、上に避難することがいい場合もあります。なるべく火元から離れた場所に避難することが大切だと思います」

また、自宅がマンションやアパートなどの場合は、どこに何の避難器具があるのかを知っておくことが重要です。
火災報知器・消火器・避難階段・避難はしごなど、どこにあるのか確認しておくことが素早い避難に必要になります。