能登半島地震の被害を受け校舎が使えなくなった新潟市 西区の坂井輪中学校。5日、場所を移して卒業式が行われ、3年生たちが門出の日を迎えました。
【記者リポート】「学び舎での卒業式とはなりませんでしたが、3年間の思い出は変わりません。まもなく坂井輪中学校の卒業式が行われます」
5日、新潟テルサで行われた坂井輪中学校の卒業式。卒業生218人は保護者や在校生に見守られながら、晴れ晴れとした表情で卒業証書を受け取っていました。

坂井輪中の南校舎は元日に起きた地震の影響で、建物を支える杭にひびが入ったり、傾いたりして使えなくなり、来年度から解体工事を行うことが決まっています。

その影響で、1、2年生はオンラインや市の施設などを使って授業をし、3年生だけ1月下旬から同じ校区の新通小学校の空き教室で学校生活を送っていました。

【坂井輪中学校 石川潤 校長】「どんな困難にも今できることを実行する姿勢はこれからも皆さんの生きる力になると信じています」

また、現在改修工事中の北校舎に掲げてある在校生から卒業生へのメッセージも紹介されました。

【卒業生は】「どんな状況にあっても私たちは生きていかなければなりません。たとえ大きな問題に直面しようと、どんなに心が折れそうになろうと前を向いて堂々とこの時代を生きていきたいと思います」

最後は卒業生全員が保護者や先生、在校生への感謝の気持ちを込めて、「大地讃頌(だいちさんしょう)」を合唱です。

【卒業生は】「仲間と一緒に過ごして、とても楽しい思い出が作れて、良い中学校生活でした」

【卒業生は】「1月1日に地震が起きて今後受験どうしようと思っていたけど、きょう無事卒業できてとにかくほっとしました」

【卒業生は】「卒業してうれしいです。叫びたいです。うわー!!」

一方で保護者は…
【保護者は】「3年間通った学校で卒業式ができなかったのはちょっと寂しい気持ちもあったけど、きょうの思い出を胸にこれからも前を見て頑張ってほしいと思いました」

会場は変わりましたが、この日の思い出は一生変わらないものとなったようです。