この夏の猛暑や雨の量などが青森県の基幹産業=農業や漁業などに影響を及ぼし始めています。今月、観測史上最も高い39.3℃を観測した弘前市では、生産量日本一を誇るリンゴに打撃を受けています。

※せいの農園 清野耕一社長
「こういうところとか日が当たるところは日焼けしてしまっている」

約15ヘクタールの園地でリンゴを栽培している弘前市の「せいの農園」です。7月中旬以降、連日の暑さと強い日差しで、つきはじめた実が日焼けしてしまっています。場所によっては被害が少ない木もありますが、日当たりが良い場所では、多いところ3割ほどの木にこうした被害が見られるということです。

※清野耕一社長
「いまだったら早生品種の着色管理が始まりますが結局焼けてしまうのでそういうこともできずに」

これから収穫を迎える農家にとって、味はもちろん、色付きの良さも価格に反映されるため、影響は決して小さくありません。

※清野耕一社長
「軽い日焼けだったらまだ家庭用としても売れますがここまで焼けて茶色くなってしまうと加工用にしかならないのでリンゴ農家としてはすごく損害が大きい」

さらにこの夏は、雨も少ない状況が続いているため、実の大きさも例年よりひと回りほど小さいということです。ほかの園地でもこうした影響が確認されていて、生産量のみならず品質の良さも日本一のリンゴを栽培する農家に打撃となっています。

※清野耕一社長
「私も(リンゴ農家を)やって20年ぐらいになりますが初めてここまでの高温と雨が降らないという状況を体験して正直もうなにやっていいかわからないという感じなにも手付けられない」

また、稲への影響も出ています。

青森市では7月下旬から8月上旬の平均気温が27℃を超えて平年に比べて4℃近く高くなっています。青森県によりますと青森や黒石など主な地域の出穂最盛期が6日程度早まり、出穂最盛期からの積算気温が960℃に達する刈り取り適期始めは9月6日から9日頃と、いつもの年より10日程度早まることが予測されています。刈り遅れた場合、胴割れなどの品質低下につながることが懸念されます。