防疫措置は完了しましたが、今シーズン鳥インフルエンザが青森県内で3件発生した影響は大きく卵の品薄と高騰で飲食関連業界からは悲痛な声が上がっています。
青森市の「中国料理広州」。こちらではメニューの半分以上が卵を使う料理で、1日に約10キロを使います。そのなか経営の重荷となっているのが高病原性鳥インフルエンザです。

※中国料理広州 伊川佳孝オーナー
「(去年12月に)鳥インフルエンザ2回目が起きたときに業者からもう納められないと通達がきて業者を3~4店舗くらい聞いて回った」
2022年12月に取り引き先の養鶏場で鳥インフルが発生したため仕入れ先を変更しました。ただ、その業者は3月感染が確認された蓬田村の養鶏場で2度目の仕入れ先の変更を余儀なくされました。さらにもう一つ大きな問題となっているのが卵の高騰です。前年の同じ時期と比べて値段は1.5倍以上に跳ね上がりました。

※中国料理広州 伊川佳孝オーナー
「去年11月に値上げしたのですが卵も使う量も多いので(値上げを)また考えなきゃいけない。(卵を)いつまで安定供給が続けられるのかという不安もあります。卵がないと商売が成り立たないので」

また卵を使った商品を製造・販売する食品製造会社からも悲痛な声が上がっています。

※みやけ食品八戸工場 中村悟副所長
「とにかく一番は卵がないっていう状況ですね。原卵がなければ私ども卵加工メーカーとしては生産できない」
卵焼きや卵豆腐、茶碗蒸し。卵加工品に特化した食品を製造するみやけ食品の八戸工場です。県内を中心とした養鶏場から卵を仕入れて商品を製造していますが、2022年から発生が相次いでいる鳥インフルエンザの影響で卵の入荷数が大幅に減少。そのあおりで商品の生産量も3割近く減っています。

さらに飼料の高騰などもあって、卵の仕入れ値も大幅に上がっていてМサイズの卵が1キロあたり約350円と3年前の倍前後に。製造する商品の価格を上げざるを得ない状況に追い込まれました。
※みやけ食品八戸工場 中村悟副所長
「昨年の4月、9月、今年の3月と3回の値上げをお願いしました。原卵に関してはなければどうしようもならないので、工場としては効率を上げ、ロスを減らして何とか価格は抑えられるように努力していきたい」

卵の供給回復までには少なくとも半年近くかかると見られていて、私たちの生活への影響はもうしばらく続きそうです。