こうした利用客の思いは、地元出身として子供の頃から青森駅に慣れ親しんできた山口さんにとっても同じでした。

※JR東日本青森営業統括センター山口智副所長(47)「捨ててしまい、なくなるのだろうなと、すごく残念だ、もったいないと思った。青森を残したい。忘れたくないという一つのシンボルになる」

長年、風雪に耐えて痛みが激しかったため、今回は比較的状態が良かった駅の1文字を修理しました。内部にLEDテープを貼るなど工夫を重ね、3か月かけて完成。去年10月に開いたイベントで初めて公開すると大きな反響を呼び、山口さんは今後、さらなる活用を模索しています。

※JR東日本青森営業統括センター山口智副所長(47)「青森の駅前にでたとき、あおもり駅の緑の看板、とくに夜に映える。すごく青森のシンボル。そういう意味では、残したうえで活用できれば、もっと青森が身近に感じられるかと思いました」

青森駅のシンボルとして愛されてきた駅名標。一度はその役目を終えましたが、山口さんたちの尽力により再び、活躍の場が生まれてきそうです。



※河村キャスター ぼくは北海道出身ですが、ひらがなの駅名標は珍しく、青森駅で初めて見ました。そして現在、ひらがなの駅名標が残っている場所がないのかを調べました。

お隣・岩手県の盛岡駅です。正面には漢字表記されていますが、駅正面外壁にはひらがなの表記もあります。このひらがな、実は岩手を代表する詩人、石川啄木の文字を集めて作ったものだそうです。5代目の青森駅舎は2024年度に完成する予定ですが、こうした郷土と関りを持ったものになれば面白いですね。