2024年から続く酒米の値上がりで、酒造会社も苦渋の決断です。
「豊盃」などの銘柄で知られる青森県弘前市の三浦酒造は、11月から値上げすることを決めました。

日本酒には欠かせない酒米。
弘前市の酒造メーカー「三浦酒造」は、県産の酒米「華吹雪」を主体に全農や個人の販売店から約27トン購入していて、この秋、酒米の高騰に悩まされています。

三浦酒造 三浦文仁 専務
「コメの仕入れ価格が去年より倍から倍以上になってるので、企業努力だけでは飲み込めない部分がありまして、値上げすることになりました」

三浦酒造の酒米の仕入れ価格は、2024年は60kgあたり約1万6000円でしたが、2025年はほぼ倍にあたる約3万1000円に跳ねあがりました。

県が物価高への対応として60kgあたり5500円の補助を予定していますが、負担が重くのしかかっています。

このため、「豊盃」を始め各銘柄を11月から1割値上げすることにしました。

三浦酒造 三浦文仁 専務
「だんだん日本酒を飲むことに遠ざかる人もいますし、この物価高騰を理解して、値上げしても飲み続けてくれる励ましの声も頂いております。おいしいお酒を作っていきますので、ぜひこれからの季節、日本酒をいっぱい飲んでほしい」

現在の米価高騰により、生産者のなかには酒米から主食用米などに転換する人もいて、三浦酒造は今後、酒米の生産量自体が減少することも危惧しています。