新たな観光拠点として期待が膨らみます。青森県初のねぶた観光施設としてにぎわい、2013年に閉鎖した「ねぶたの里」が、イベント会場として活用が模索されています。
「ねぶたの里」があった青森市横内の敷地です。まだ雪が残り、開業当時の建物もそのまま残っています。
「ねぶたの里」は1977年に開業し、大型ねぶた10台の常設展示のほか、祭りの運行を体験できる県内初のねぶた観光施設として、年間約30万人が訪れるなど人気を集めていました。
ただ、次第に観光客が減少するなかで、東日本大震災が追い打ちをかけ、2013年に閉業しました。
そこから10年あまりが経ち、跡地を活用する構想を示したのが弘前市や青森市で温泉施設などを営む髙坂洋子さんです。
おおびらき温泉 髙坂洋子 社長
「若い人から国も関係なく、みんな交わって楽しむ場所にしたい。毎回私も行くたびに癒されて、青森の自然がこんなに豊かだったんだなと再認識する」
髙坂さんが「ねぶたの里」の活用を計画したのは、夫の遺志でもありました。
土地と建物を取得し、維持管理を続けた夫は3年前に亡くなり、髙坂さんは夫から引き継いだ周辺環境の魅力に気づき、活用の構想が浮かんだといいます。
主な活用方法としては、屋外イベント会場として2025年5月ごろから音楽やキャンプ、キッチンカーなどのイベントを行う団体に貸し出す計画です。
また、その後はレストランだった場所をオープンキッチンに整備し、県産食材を使った料理を提供することなど夢が膨らみます。
かつて「青森市の観光を支えた場所」。
「新たな観光拠点」としての活用が期待されます。