短期大学の募集停止は今、全国で相次いでいて2025年度は20校にまで増える見込みです。教育の専門家は福祉系の学科は特に経営が厳しいと指摘しています。

教育問題に詳しい大学ジャーナリストの石渡嶺司さんは今、中学・高校のほかに短期大学を運営する学校法人が短期大学の募集を停止するケースが全国で多いと指摘します。

※大学ジャーナリスト 石渡嶺司 さん
「募集停止をするか判断する目安は入学者定員の充足率70%を切るかが目安」
「(募集停止を決めた青森明の星短大は)去年は51%となっていた」
「定員割れで何年も維持していくと同じ学校法人が経営している中学・高校が順調にいっていたとしても、そちらへ悪影響が出てくるリスクが年々高まっていく」

全国で入学者が定員割れをしている短期大学は年々増え、今年度は全体の90%あまり、2005年度からの19年間で50ポイント上昇しています。

また、全ての学科が募集停止した短期大学は全国で2021年度から23年度が5校ずつ、2024年度が2校でしたが、2025年度は20校にまで増える見込みです。

青森県内では弘前医療福祉大学短期大学部が一部の福祉系の学科を2025年度から募集停止することを決めています。こうした傾向について、石渡さんは特に福祉系などの学科で顕著だと指摘します。

※大学ジャーナリスト 石渡嶺司さん
「保育系統の学科、福祉系統の学科というのは4年制大学でも不人気」
「募集停止となった短期大学を見ると保育もしくは幼児教育ですとか福祉系の学科が中心となっている短期大学が多い」

また、短大ではなく4年制大学を志望する学生が増えていることも大きな特徴となっています。ただ、県内の大学や短大などをあわせた入学者数は2024年度は4899人で10年前と比べておよそ9割、500人近く減っています。

これから少子化が加速することで4年制大学、短期大学ともに学校運営は厳しさを増すことになりそうです。