【午後3時30分:追記】今後「建物解体」前提に再開発事業者と交渉

老舗百貨店「中三」を運営する青森県弘前市の企業が裁判所から破産手続き開始の決定を受けました。負債総額は現時点で約9億円です。今後、弘前店の建物の解体を前提に再開発の事業者と交渉をしていくということです。

青森地裁弘前支部から破産手続きの開始決定を受けたのは、弘前市で百貨店を手がける「中三」です。負債総額は現時点で約9億円に上り、85人の従業員は29日付で解雇となりました。

中三は1896年に五所川原市で呉服店として創業。その後、1962年の弘前店の開業を皮切りに百貨店の経営に乗り出し青森市や五所川原市のほか岩手県や秋田県にも進出し、1998年8月期には415億円の売上を計上していました。

ただ、他店との競争激化などにより2010年ごろには185億円まで売上が減少。

その翌年には、東日本大震災の影響で盛岡店が休業に追い込まれ、民事再生手続きを申し立て投資ファンドのもと事業の再建を図っていました。

新型コロナが業績の悪化に拍車をかけ2023年8月期には売上が17億2300万円、営業利益が2億2200万円の赤字となっていまいした。

中三の担当弁護士によりますと、百貨店事業の承継先が建物の老朽化などで難航したため今後、弘前店の建物の解体を前提に再開発の事業者と交渉をしていくということです。