JR東日本は28日、利用客が少ない地方路線の収支を初めて公表しました。青森県内では奥羽本線や津軽線などの5つの路線で8区間が該当していて、2020年度、奥羽本線で24億円あまりの赤字となっています。

JR東日本は28日、利用者の少ない地方路線35路線の収支状況について初めて発表しました。このうち県関係では、奥羽本線、津軽線、五能線、大湊線、八戸線の5つの路線8区間が含まれています。
JR東日本によりますと2020年度の収支で、奥羽本線の弘前から秋田県の大館間が24億4800万円と最も赤字額が大きく、次いで津軽線の青森~中小国間が21億4000万円、五能線の深浦~能代間が15億2900万円など全ての路線で1億円以上の赤字となっています。

※JR東日本 高岡崇経営企画部門長
「地方路線の厳しい経営状況について、各自治体をはじめ地域の皆さまに現状をご理解いただくとともに、持続可能な交通体系について関係の皆さまと建設的な議論をさせていただくために経営情報を開示することといたしました」

国の有識者検討会は7月25日に地方鉄道のあり方について存続や廃止を前提としないとした上で、増便などにより利便性を向上させるか、バスなどに転換するかなどを事業者と自治体で話し合い、3年以内に結論を出すこととする提言をまとめています。JRが収支を公表したことを受け、三村知事は「国や市町村と連携を図りながら、県民の足を確保するために必要な取り組みを進めて行く」とコメントしています。

【5路線8区間の赤字額(2020年度)】奥羽本線(弘前~大館)24億4800万円津軽線(青森~中小国)21億4000万円五能線(深浦~能代)15億2900万円大湊線(野辺地~大湊)14億2800万円八戸線(鮫~久慈)13億8200万円五能線(五所川原~深浦)13億1100万円五能線(川部~五所川原)7億700万円津軽線(三厩~中小国)5億7700万円