2023年に出没が相次いだ野生動物による被害、2024年も注意が必要なようです。4日、青森県八戸市の住宅でイノシシに襲われ住人の男女2人が軽いけがをしました。

県によりますと、イノシシによる人的被害が確認されたのは初めてです。

イノシシが現れたのは、八戸市南郷島守の小川徳治さんの住宅です。

小林憲治記者
「こちらの民家の家主が犬が鳴いているのに気づき、家の裏を確認したところ雪の上にイノシシを発見したということです。雪の上にはイノシシとみられる足跡も残っています」

小川さんがイノシシを発見したのは4日の午前11時前。屋根の雪下ろしをしていた時でした。

小川徳治さん
「あの新雪のところ。仁王立ちだった。もう戦闘モードでしたね。イノシシは」

危険を感じて場所を移動した先で再びイノシシと遭遇。今度は小川さんに突進してきました。小川さんは、手にしていたカマの柄を使って追いやりながら、ひるんだところで体がとっさに動いたといいます。

小川徳治さん
「イノシシの首を抑え込んで、押し倒した」

家にいた姪も加勢して、ハンマーで脚や額を叩くなどして動きを止めました。イノシシは体長約140cm・高さ85cmでした。

小川徳治さん
「手負いの状態で逃げられたんじゃ大変なことになると思って、心を鬼にしてやっちゃいました。可哀想ですけど仕方ないです」

県によりますと、2016年度に100年ぶりに目撃されて以降、年々増加しているというイノシシ。八戸市内でも2023年に10頭のイノシシが連らなって歩く姿が目撃されるなど、今年度は過去最高を更新する述べ182頭の目撃情報が寄せられています。

イノシシとの格闘で小川さんと姪は手と足に擦り傷を負いましたが、県内で人的被害が確認されるのは、これが初めてだということです。

小川徳治さん
「春になるとますます野生動物は活発になると思うんですよ。大きな被害が出ないうちに、早めの対応を行政サイドにはお願いしたいと思っています」

県はイノシシを発見した際は刺激せず、ゆっくり離れるなど身を守る行動を取ってほしいと呼びかけています。