5歳の女の子が両親からの虐待が原因で死亡した疑いのある事件。なぜ尊い命を救うことができなかったのか。詳しい経緯が分かってきました。児童相談所には2回、女の子への虐待を疑う通告がありましたが、女の子との面接は3か月後の1度きりでした。
宮下知事は女の子に哀悼の意を示すとともに冷静な検証が必要との認識を示しました。

1月7日、八戸市の自宅浴槽で倒れていた宮本望愛(みやもと・のの)ちゃん、当時5歳が死亡し、母親の宮本菜々美容疑者と内縁の夫・関川亮容疑者が傷害致死の疑いで逮捕された事件。
児童相談所はこの家族を巡る対応を発表しました。

宮本親子が千葉県松戸市から八戸市に転入してきたのは2023年6月。その翌月、最初の虐待通告がありました。「関川容疑者が望愛ちゃんを蹴ったり殴ったりしている」という内容でした。

児童相談所は家庭訪問で望愛ちゃんに会うことができず、9月に警察から2回目の虐待通告があります。そして10月末、望愛ちゃんと初めて面接。この時、望愛ちゃんが虐待は「ない」と答え、長袖の上からの確認で、あざなどはなかったということです。

その後、関川容疑者が電話での指導に応じる姿勢をみせたこともあり、翌11月末、児童相談所は家族への指導を終えました。

※八戸児童相談所 細越亜起子所長
「今思えば、家庭訪問をしたり他の接触の仕方を考えることができたと思うのですが、その時はそういう対策がとれませんでした」

厚生労働省の指針では、児童相談所は「虐待通告受理後、原則48時間以内に直接子どもの様子を確認すること」としていますが、今回のケースでは面接は最初の通告から約3か月後、しかも1回きりでした。その理由について県側は「緊急性の高い別の事案を優先」したためとし、結果的に「虐待の継続が予見できなかった」と説明しました。