専門家「地殻変動の激しい日本で、最終処分場を選定するのは、不可能である」

藤森キャスター:
実は政府は、2017年の段階で、最終処分場に適しているかどうかを示す全国的な地図を作っています。その地図によると、立地に好ましいとされている地域は、国の3分の2を占めている。首都圏を見ても、東京都の一部や、神奈川県も好ましい地域とされている。

ただ、地震で甚大な被害が出ました能登半島を見ると、大部分が適した地域だと示されている。

こうした状況もあって、地質学者ら300人は、2023年10月、声明で、「地殻変動の激しい日本では、10万年間も、核のごみを、安定的に保存できる場所を選定するのは、不可能である」という見解を示しています。

小川彩佳キャスター:
この声明では、最終処分法は廃止にして、処分のあり方を再検討するべきだというふうに締めくくられています。

斎藤幸平 東京大学 准教授:
能登地震も含め、自然災害の力は、私たちの予想を超えてくる。10万年規模で、技術発展を含めて考えても、最終処分場を選定していくのはかなり難しい。
しかも、担当が数年ごとに変わるような政治家たち、官僚たち、NUMOと呼ばれる原子力発電環境整備機構の人たちが、本当に今の枠組みで、長期的なものを作っていけるのかという不安が残ります。

もう1つ、気になってるのは、沖縄との類似性。元々、北海道は、アイヌの方たちの土地です。本土に置きたくない米軍基地を、振興費を使って、沖縄に押し付けているという構造が、原発のごみに関して、同じようなことを北海道に対してしようとしている。構造的な差別の問題が根強く続いていて、ある種の植民地主義の表れだと言われても、私たちは言い返す言葉がないと思います。

星浩 TBSスペシャルコメンテーター:
自民党の中には、推進しようとする勢力がいっぱいいるが、その政治家の姿が見えてこない。最終処理場が必要だと主張する政治家がいるのであれば、現地に赴いて、これを受け入れてください、日本の将来のエネルギーのためにはどうしても必要なんだ、と説得するのが役割のはず。けれども、経産省の職員や、NUMOの職員が言うだけで、政治家は一切説明しようとしない。リーダーシップが見えない。有権者、地元の人からすれば、不信感が募ると思います。