■サッカー AFCアジアカップ2023 決勝 ヨルダン代表 1ー3 カタール代表(日本時間11日、カタール・ルサイル スタジアム)

アジア杯の決勝が行われ、開催国のカタール(FIFAランク58位)がヨルダン代表(同87位)に勝利し、2大会連続2度目の優勝を果たした。

前半20分でPKを獲得すると、エースのFWアクラム・アフィフ(27)が決めて先制点を奪うが、後半22分にヨルダンが同点に追いつく。だがカタールは直後に再びPKを獲得し、アフィフが落ち着いて決めて2-1と勝ち越しに成功。さらに後半アディショナルタイムには3本目のPKを獲得し、アフィフがハットトリックを達成して逃げ切った。

連覇達成は韓国、イラン、サウジアラビア、日本に次ぐ史上5か国目。カタールは22年のW杯ではグループリーグ(オランダ、セネガル、エクアドル)で3戦全敗を喫し、地元開催で無念の敗退。その苦い経験から約1年を経て、今大会は1次リーグから無傷の7戦全勝を飾り頂点に立った。

前半は9分、カタールはクロスからアフィフが相手の股を抜くシュートもキーパに阻まれる。ヨルダンは16分に、ロングボールから一気に攻めると、11番アルナイマトがペナルティーエリア手前から強烈なシュートを放つがキーパー正面で弾かれる。その後もアルナイマトがドリブルでゴール付近に切り込むなど、両チーム先制点奪取へ拮抗した展開が続いた。

前半20分、カタールはアフィフが前線に駆け上がると、ペナルティーエリア左で倒される。VARのチェックを経てPK判定となり、アフィフがゴール左に決めて先制ゴールを奪った。

33分はアフィフの右CKからフランス・マルセイユなどでプレーしたルーカス・メンデス(33)がヘディングで合わせたがネットを揺らせず。前半終了間際の46分にはボールを奪いに行ったアフィフが態勢を崩した際に左脚を痛め倒れ込む。一度担架で運ばれたがプレーに復帰、前半は1-0とカタールリードで折り返した。

後半はヨルダンの攻勢が強まる。12分にはオルワンのオーバーヘッドでゴールを脅かされる。14分には走り込んだハッダードのシュートをキーパーのメシャール・バルシャム(25)が止め、CKからのアルアラブの痛烈ボレーシュートもファインセーブ。さらに直後にはアルタマリのシュートを左脚で止めるなど、度重なるヨルダンの猛攻をバルシャムが防ぎ切った。

だが後半22分、攻めるヨルダンが右サイドからダイレクトのクロスに、ファーサイドでフリーのアルナイマトがワンタッチで止め、左脚を豪快に振り抜き、ついに1-1の同点に追いついた。アルナイマトは今大会4点目。

後半26分、カタールが攻めていくとペナルティーエリア内で途中出場のモハマドが接触プレーで倒れ、VARを経て主審はPK判定。このチャンスに再びアフィフがゴール左に決めて2-1と勝ち越しに成功。アフィフは今大会7点目で、イラクのアイメン・フセイン(6得点)を抜き、得点王に浮上。

カタール1点リードのまま後半アディショナルタイム(13分)へ。カタールは46分、ゴール前に切り込んだアフィフがキーパーとの1対1での接触プレーで倒され、VARの結果3度目のPKを獲得。アフィフが右に決めこの試合、全てPKでハットトリックを達成。そのまま逃げ切り3-1で連覇を達成した。

カタールは前回大会(19年)では決勝で日本を下し、アジア杯初優勝。今大会は準決勝で日本を破ったイランと対戦し、土壇場で勝ち越し3-2でファイナルへ駒を進めた。今大会初のベスト4入りを果たしたヨルダンは、準決勝で韓国を2-0で破って決勝へ進んだが、初優勝には届かなかった。