パレスチナ自治区ガザでの戦闘停止や人質解放に向けた交渉で、イスラエルはハマス側が返答してきた提案を拒否しました。ハマス側の停戦案は、イスラエル軍のガザからの完全撤退に加え、住宅の再建などを求めるものだと報じられています。

中東レバノンのメディアなどによりますと、ハマスはイスラエルやアメリカなど4か国の提案への返答として、45日間ずつ3段階の停戦期間を設ける案を提示しました。

第1段階では、ハマスが拘束する人質のうち女性や子ども、高齢者を解放するのと引き換えに、イスラエルが収監しているパレスチナ人を釈放。第2段階では、ハマスが残る男性の人質を解放するかわりに、イスラエル軍がガザから完全撤退することに加え、破壊された住宅やインフラの再建などを始め、第3段階で遺体を交換するという流れだということです。

一方、イスラエルのネタニヤフ首相はさきほど会見し、ハマス側の提案を拒否。「ハマスの妄想的な要求に屈することは、人質解放に繋がらないだけではなく、さらなる虐殺を招くだけだ」と強調しました。

イスラエル ネタニヤフ首相
「我々は完全な勝利への道を進んでいる。勝利は我々の手の届くところにある。それは数年や数十年ではなく、数か月の話だ」

そのうえで「人質解放のためには、継続した軍事的な圧力が必要だ」と述べ、ガザからの完全撤退を否定。攻撃を続け、ハマス殲滅を目指す方針を改めて示しました。

また、会見前に会談したアメリカのブリンケン国務長官に「ハマス打倒後、ガザを永久に非武装化する」と伝えたと明らかにしました。