■記録に残されていた献金の実態…

妻が書いた詳細な記録があります。2001年7月、妻は自宅を訪れた女性から「運勢が良くない」といわれ、「家族を災いから守るため」と勧められて、家族4人分の印鑑を51万円で購入しました。その後「人生の勉強をいっしょにしましょう」と言われ、ある団体のビデオの講習を受けるようになります。

妻の手記:
平成13年・2001年11月10日土曜「時と出合い」、11月17日土曜「幸運をつかむ」11月20日火曜「この世とあの世」

「霊界にいる先祖を救わないと、家族や子孫に悪い影響が出る」。
ビデオを見るたび、妻には恐怖心が植えつけられていきました。
そして、1年4か月後、その団体が統一教会だと明かされるのです。戸惑いながらも信者になった妻は家族を救うためと献金を始めます。

男性:
「定期預金おろしてやったんじゃないですか。2人合わせて貯めたお金」

そして2010年、長女に孫ができたお祝いをしようと、男性が貯金の金額を尋ねたときのことです。

男性:
「『お父さん、ごめん、こんだけしかないわ』って私に謝って教えてくれた。それまで私はまったく気がつかなかった」
「俺も腹立ってなにーと言ってパシッと一発だけ、ほっぺた叩きましたよ。俺もあの時は、あまりにもショックやったから」

男性:
「(献金の総額は)1400万円くらいいってるんじゃないかと思う」

さらに悲劇が襲います。妻の胃に、がんが見つかり、肺や肝臓などに転移していたのです。家族の説得と被害者の体験談を読むなどした結果、妻は、自分が間違っていたことに気がついたといいます。しかし。