犯行は性的暴行だけでなく...

さらに男は、ゲストハウスの風呂の脱衣場に「小型カメラ」を設置します。入浴客に気づかれないよう、消臭剤の箱に入れた上、レンズの部分には小さな穴を開け、エアコンの上に置いていたといいます。カメラには、入浴するために服を脱ぐ女性の姿が映されていました。

しかし、このカメラについても、男は「防犯や事故発生防止のため」また「入浴の順番管理を行い、食事提供の準備を行うため」と説明。「設置には正当な理由がある」として無罪を主張しました。

「毎日生きるのが辛い、殺されるように辛い」被害女性の悲痛な思い

被害に遭ったのは、ほとんどが一人旅の女性です。検察側が事前に行った、被害者への聴き取りでは悲痛な思いが聞かれました。

「一人旅が好きで、ゲストハウスでの地元の人との交流が好きだった。しかしもうニ度とできない。厳しい処罰を求めます」

「私たちがどれほど辛い思いをしたか、言葉にしたところで分かりっこない。毎日生きるのが辛い。殺されるように辛い」

「精神科に通院している。PTSDの症状も出ている。毎日生きるのがギリギリの精神状態」

「今すぐに地獄に落ちてほしい」

公判中、手を震わせ「犯行を覚えていない」弁護側は「心神喪失状態にあった」

男は「犯行を覚えていない」と主張する一方、「証拠上、確認される被害者に対しては大変申し訳なく思っております。申し訳ありませんでした」と、淡々と話しました。

男は公判の間、資料を持つ手が細かく震えていました。弁護側は「犯行時、男は心神喪失状態にあった」として、無罪を主張しました。

男に責任能力はあったのでしょうか。今後の裁判では、責任能力の有無が争点となります。