地震時に屋根が落下する危険があるとし、高知県は県立室戸体育館の耐震改修を行うことを決めました。県内にはほかにも同じ工法で建てられた体育館があり、耐震診断が急がれています。

県によりますと、県立室戸体育館について室戸市への移管に向け準備を進める中で、県は去年3月から耐震診断を行っていました。

その結果、体育館の屋根と柱などをつなぐ部分の耐震性が低いことが判明。体育館が建てられた1991年には、当時の耐震基準を満たしていたということですが、阪神・淡路大震災を受けて1996年に新たにできた診断基準でみると、耐震値が0.24と基準値の0.7を大幅に下回っていたことが分かりました。震度6強以上の地震がくると屋根が落下するなどの恐れがあるということです。

このため、県は利用者の安全確保に向け、3月1日(金)から耐震改修が完了するまでのおよそ2年間、県立室戸体育館の利用を一時中止することを決めました。

(県土木部 公園下水道課 坂本篤信 課長)
「利用される方には我慢をしてもらうことになり残念。補修をしてしっかりした基準のもので工事をして再開したい。再開後には室戸市に移管して室戸市に活用していただきたい」

また、室戸体育館と同じ屋根の工法で建てられた体育館として、高知東工業高校と社会福祉法人の南海学園の体育館が確認されていて、このうち高知東工業高校は生徒の安全面を考えすでに29日の夕方から利用が中止されています。

高知東工業高校は「寝耳に水。控えている卒業式などの行事や部活動は、これから他の施設を予約しながら調整し、中止になることがないよう対応していく」とコメントしています。