新潟県柏崎市の『鎌田養鶏』が29日に事業を停止し、今後自己破産を申請する予定であることがわかりました。養鶏業のほか、洋菓子の小売や産業廃棄物の処理も手掛けていたということです。

民間の信用調査会社・帝国データバンクによりますと、1976年に設立された『鎌田養鶏』は、2007年には主力商品である赤玉子のオリジナルブランド「養生卵」を扱う直売所を刈羽村に開設したほか、2012年には上越市にも直営店を出店。ネット通販も通じて養生卵やスイーツも販売し、2019年9月期には約4億9400万円の年間売上高を計上していたということです。

また、動物愛護の精神に基づいたEU管理基準に対応する鶏舎を用意したほか、2019年には高度な衛生管理手法を取り入れた農場HACCP認証も取得し、2021年には十日町市にも出店するなどし、積極的な事業拡大を行っていました。

しかし、巣ごもり需要の一巡により鶏卵の販売が減少しているほか、肥料製造に使用する産業廃棄物の処理量も減少したため、2022年9月期の年間売上高は約4億7900万円にとどまった一方で財務内容は、飼料の高騰などによる債務超過の傾向であったとみられています。加えて、2023年には卵価も低下し減収となったために上越店を閉店したものの、先行きの見通しが立たないことから今後の事業継続を断念したということです。

帝国データバンクによりますと、新潟県内に24社ある養鶏会社のなかで『鎌田養鶏』は中堅に位置し、負債は約5億5000万円から6億円ほどになる可能性があるということです。