二ホンライチョウの繁殖を目指し、富山市からメス1羽が大町市にやってきました。

30日午後1時前、大町山岳博物館に到着したのは、1羽の二ホンライチョウ。

移動専用の箱に入っていたため、姿を確認することは出来ませんでしたが、やって来たのは、2021年7月に富山市のファミリーパークで孵化したメスです。

博物館では現在、オス4羽とメス2羽のあわせて6羽を飼育していて、今回の個体が7羽目になります。

国の特別天然記念物で絶滅危惧種にも指定されている野生のライチョウ。

北アルプスや乗鞍岳など標高2200メートル以上の本州中部の高山帯にのみ生息しています。

環境省によりますと高山帯の植生の変化や、キツネやテンなどの天敵が標高の高いところに生息するようになったことで、2000羽以下にまで減少したとされています。

このため、環境省が中心となって繁殖と放鳥による生息数の回復を目指していて、今回の移動も「繁殖」が大きな目的です。

大町山岳博物館 栗林勇太(くりばやし・ゆうた)学芸員(動物担当):
「上手く繁殖に成功して、次世代を生み出してくれればと期待している」

現在は、冬仕様で真っ白な姿の二ホンライチョウは、今後、環境を慣らしながら、4月から5月にかけてペアを組み、繁殖を目指すということです。