株価急上昇の背景は?株高の波、高まる投資熱

――ここからは、高値を強気に予想していた、野村証券の小高貴久さんに話を伺いたいと思います。株価が急騰。年初から2000円、3000円とかなり上げました。
野村証券 シニア・ストラテジスト 小高貴久氏:
勢いが強くて私もびっくりした。もう少し時間がかかると思っていたが、いくつかプラスの要因があったと思う。一つが円安で、年初1ドル140円前後だったのが、今148円まで円安が進んでいる。これが輸出企業などの追い風になっていて、株価を押し上げていると思う。二つ目は、半導体産業の回復期待。2023年ようやく半導体世界の販売額が前年比でプラスに転じ始めていて、これまで2023年は半導体企業が大きな調整局面を迎えていた。人工知能だけが突出して良かったが、全体はそれほど良くなかった。

野村証券 シニア・ストラテジスト 小高貴久氏:
主要なアメリカの株価指数と一番下が日経平均株価。S&P500やニューヨークダウなどの代表的な株価と比べると(8%上がった)日本株は上がりすぎじゃないかと、アメリカの半導体関連指数を見ると同じくらい上がっていて、これに円安も加わっている。日本は半導体の製造装置や材料などを作っている企業が多い。アメリカはインターネットなどのテクノロジー企業は非常に影響力が大きいのだが、半導体というと意外と日本は実力がある。
――マイナス金利解除見送りが決まった途端に株価が急落したが、心配ないか。
野村証券 シニア・ストラテジスト 小高貴久氏:
「材料出尽くし」というのが一つあると思う。それから3万7000円という大台の手前で、早すぎるのでこのあたりで一旦売っておこうかという動きもあったと思う。(もっと上がるかどうかは)日経平均の過去最高値の3万8915円87銭まであと9%弱なので、届かない距離ではないと思う。ただ、今回のような2000、3000円の上げがもう一段ないと届かないので、もう少し材料が2024年の後半にかけて、企業業績や、アメリカの景気次第で届くかもしれないとは思っています。
――逆に不安材料がありますか?
アメリカの景気が失速したり、円安のアドバンテージを今1ドル148円で受けてしまっているので、アメリカが利下げを開始して円高になって、そこが途切れてしまうと、今回1月にもらったのりしろ部分の株高がちょっと相殺されてしまいます。
――いまアメリカ経済の失速は考なかなか考えられないですけど、円安ボーナスが剥げてしまうと、その下落が大きくなる可能性もあるってことですよね。
野村証券 シニア・ストラテジスト 小高貴久氏:
そうですね。
――株式市場は円安になると、輸出企業株が上がって株高になるが、円高に振れると逆の反応が起きるというパターンは変わらない?
野村証券 シニア・ストラテジスト 小高貴久氏:
はい。どうしても「円高になると株が下がる」というプログラムで動いている人たちがいると思います。
――その辺のマインドが、日銀の金融政策と相まって、どう変わっていくかというのが見どころだ。
(BS-TBS『Bizスクエア』1月27日放送より)














