1月25日から始まった今週、日経平均株価は一時、節目となる3万7000円に迫るなど、2024年の年初から約3200円も値上がりしました。

株価急上昇の背景は?株高の波、高まる投資熱

約3年前に東京銀座に開業して以来、多くの投資家で賑わう投資家バー。

「投資家バー STOCK PICKERS」今泉早人店長:
飲食店としての単価は結構上がってきたかなという印象はあって、たまに高級なシャンパーニュやワインを他の周りのお客さんに振る舞われている光景も目にするようになった。

来店客に34年ぶりの株高について聞いてみると・・・

【個人投資家】
(営業日16日中)今のところ13勝3敗です。丸々いただいております。ごちそうさま。

都内で社会人や学生を対象にした株式や不動産投資などについてセミナーを開催しているマネースクール「ファイナンシャルアカデミー」。この株高に乗り遅れないようにと、セミナーについて問い合わせが相次いでいる。

「ファイナンシャルアカデミー」認定講師 小野原薫氏:
完全な初心者から始めたいという人も増えたし、既にやってる人からすると、この株高の中でもまだ上がっていない会社を探したいという人たちが多い。

【会社員受講生】
受講生は「お金に働いてもらいたいと思って。でも全然知識がなかったので、勉強してみようかなと」という。

株価急上昇の背景に、日銀金融政策の影響は!?

こうした中、投資家が注目しているのが、日銀の金融政策の行方。日銀は1月23日に金融政策決定会合を開き、大規模緩和の維持を決定。すると発表直後に円安が進み、日経平均株価は一時、節目の3万7000円目前まで値上がりした。ところがその後、金融市場では、マイナス金利解除の時ならしが進んでいるという解釈が広がり、値下がりに転じている。

日本マクドナルドは、メニューの一部を24日から値上げ。2022年以降、全国一斉の値上げは4回目で、ビッグマックは、2022年の390円から2024年に480円と、この2年で100円近く上がった。街の人は・・・「ちょっと厳しいものがありますね。外食のコストがずいぶん上がるのはきつい」。41年ぶりという歴史的な伸び率で上昇する物価高。その一方で、賃金から物価上昇分を差し引いた実質賃金は、20か月連続のマイナスとなっている。

2024年の春闘。大手企業では賃上げの機運が高まる中、日銀は今回、金融緩和の維持を決めたが、これについて植田総裁は・・・

日本銀行 植田和男総裁:
春季労使交渉の動向を含め、各種のデータ情報を丹念に分析し、賃金と物価の好循環が強まっていくか確認していきたい。賃金と物価の好循環が強まり、基調的な物価上昇率が2%に向けて徐々に高まっていく確度は、引き続き少しずつ高まっていると判断した。仮に物価見通しの達成が視野に入って、マイナス金利を解除するということになったとしても、極めて緩和的な金融環境が当面続く。

マイナス金利を解除すれば、2007年2月以来の利上げとなり、金融政策の大きな転換点になるが、今後の賃金と物価の動向を踏まえ、日銀が3月、そして4月の会合でどのように判断するかが焦点です。

植田総裁の会見のポイントは、「物価目標達成の確度は少しずつ高まっている」
「マイナス金利を解除しても、緩和的な金融環境が続く」「不連続性が発生する政策運営は避けられる」。

東短リサーチ代表取締役 チーフエコノミスト 加藤出氏
2023年12月よりもちょっと高まっているという意味で、1月23日に全体として日銀が発したのは、「3月以降はマイナス金利解除ありえます」という情報発信だった。

――(マイナス金利解除を)いま、やれなかったというのは?

東短リサーチ代表取締役 チーフエコノミスト 加藤出氏
春闘がどうなっていくかというのがまだ確定的ではない。その証拠としてはまだ不十分。政策委員会の中に慎重派の人たちもいるので、その人たちが納得するには、もう少し証拠が必要であるということでしょう。

――3月18、19日。4月25、26日と日銀政策金融決定会合が2回予定されているが、(マイナス金利解除は)どちらの確率高そう?

東短リサーチ代表取締役 チーフエコノミスト 加藤出氏
今のところ、やや4月で、3月40%、4月60%(の確率)かなと。アメリカのFRBが「利下げ急がない」という空気の中で円安方向に来たりとか、あるいは春闘がここで結構いい数字になってきた、流れがいいことがあと2か月弱で見えてきたりすれば3月に決まる確率が上回ってくることもあります。当面緩和的な金融環境が続くと言っているのは、「ポンポンと上げませんよ」と。あと海外。FRBの利下げを見極めながら、9月、10月ぐらいに0.25%ぐらいに2回目の利上げがあり得るかと思う。(日銀が)低金利でがんばるということをやっていくと円安が進みやすくなり、悪い循環になっていくリスクもある。