東京都は、新型コロナ感染拡大を受けて緊急の対策本部会議を開き、病床数の引き上げなど「医療体制の整備」や「ワクチン接種の促進」などを検討しています。一方で、「行動制限」などはせず“第7波”を乗り切る考えです。なぜ「行動制限」は必要ないのか?専門家に聞きました。

■第7波“行動制限なし”で大丈夫?岡田晴恵教授「即効性があるのは4回目のワクチン接種」

井上貴博キャスター:
政府の対策や感染症法上の分類についてみていきます。



まずは東京都の緊急対策本部会議で検討がなされます。病床数の引き上げや検査体制など医療提供体制の整備、ワクチン接種の促進策などが掲げられています。

また、観光支援策・都民割「もっとTokyo」(~7月末まで)について、感染状況を踏まえた上で、8月下旬から試験的な再開を検討する方向で調整を進めると発表されています。

政府としては「5つの対策」の提言がされています。

▼政府コロナ分科会「5つの対策」提言
・ワクチン接種の加速化
・検査体制の確保
・医療体制の確保
・効率的な換気
・感染対策の徹底

この5つの柱です。
行動制限については、経済との両立ということで政府は「現時点では考えていない」という立場をとっています。

これについて白鴎大学・岡田晴恵教授は「“行動制限なし”は妥当な判断だと思う。ただし、4回目のワクチン接種の対象をさらに広げることが必要」と指摘されています。

ホラン千秋キャスター:
岡田さん詳しくお願いします。

白鴎大学 岡田晴恵教授:
まず感染者数が非常に増えていますが、実際にはこの数倍いると思います。つまりかなり広がっているということです。

それから感染力も強くなっている。エアロゾル感染がメインになっているということを考えると、行動の規制をしても思うような効果が得られないウイルス、感染状況になっているということだと思います。

私が提案したいのは、感染拡大を防ぐことが極めて難しい状況になっている以上、やはり医療と国民の命や健康を守るためには、かかっても発症しないとか、重症化させないとか、死亡するリスクを減らすということになると思うんです。

そのために即効性があるのは4回目のワクチン(接種)です。当然、若い方の3回目を促進していただくというのもあるんですが、50代の方に向けて、希望者には4回目のワクチンを積極的に打つ機会を与えていくということが大事だと思うんです。

去年の夏を考えると、デルタ株でワクチンをまだ打っていなかった40代・50代に肺炎が多発したんです。今回の「BA.5」も肺で増えやすいようなウイルスの能力を獲得しているようだと示唆されますから、やはり50代に、接種券が間に合わなければマイナンバーカードを使うなどしても、即効性のあるワクチン接種をしておくということが大事だと思います。

ホランキャスター:
メイさん、特に欧米などの海外の例をみても、やはり行動制限ではなく元通りの生活を続けつつ、それぞれの感染対策をそれぞれのレベルでしていただく、そうしないと経済が死んでしまうというスタンスの国は多いですよね。

パナソニック社外取締役ハロルド・ジョージ・メイさん:
もう行動を制限する国というのはほとんど中国以外なく、ウィズコロナだと。ただやはり「5つの対策」の「ワクチンの接種の加速化」は海外でも非常に課題になっていて、これを推し進めると。

日本の場合もできるだけ年齢を少しずつ下げていくのか、あるいは、せめて希望する接種者に提供するとか。私も受けたいんですが、受けられない(受けられる)年齢に入っていないので、自分のお金を出してでも受けたいのにできないというのはちょっとどうなのかなと思います。