新潟県は去年10月に出していた「クマ出没特別警報」を31日に解除すると発表しました。ただ今年は冬も引き続き注意が必要です。その訳は「穴持たず」と呼ばれるクマの存在です。
クマによる人身被害のリスクが非常に高いとして、去年10月に出された「クマ出没特別警報」。

県は、先月以降、けが人が出ていないことや県全体で目撃件数が減っていることから、31日で解除すると発表しました。

県内では今年度、29日までに1433件の目撃情報があり、10人が襲われてけがをしています。

特別警報は解除となりますが、今年度は本来クマが冬眠するはずの冬場も目撃が相次いでいます。12月は60件、1月はきのうまでに20件と、クマによる被害が多かった2019年度、2020年度と比べても格段に多くなっています。

その背景について県は暖冬に加えて、クマの出没傾向に変化があるためではないかとしています。
【県鳥獣被害対策支援センター 渡部浩 所長】「いわゆる親離れをしたばかり(の子グマ)で、猟友会の方々が言うには『穴持たず』冬眠する場所がなくてエサを求めてウロウロしている」

今月、目撃情報があった20件を市町村別でみると新発田市が7件、南魚沼市が5件などクマが住む山際と人家が近いエリアのある地域が多くなっていて、29日も五泉市 村松の住宅地でクマの目撃情報が2件寄せられました。

【県鳥獣被害対策支援センター 渡部浩 所長】「引き続き目撃があるところについては外に出るときに、クマも非常に警戒心が基本的には強い動物なので遭遇しないように留意してもらうことが大事」

県は、クマのエサとなり得る庭先の果樹などは放置せず処分するなど、対策を続けるよう呼び掛けています。