去年12月、うるま市役所の介護長寿課を名乗る人物が、市内に住む60代の女性に電話で「介護保険の過払い金があり払い戻しの手続きをする」などと告げ、そのままATMに誘導し49万円余りを騙し取ろうとした還付金詐欺未遂事件がありました。
特殊詐欺の被害から女性を守った郵便局員たちがとっさに取った行動とは―
“まさか”が“確証”に 女性の電話口から聞こえてきた声
「女性がスマホで話しながら入ってきたので、そのときから気にしていました」
沖縄県うるま市にある「平安座郵便局」。12月27日午前9時ごろ、60代の女性がスマホで誰かと通話しながら局内に入り、そのままATMを操作し始めました。
女性は前日、自宅の固定電話にうるま市役所の介護長寿課を名乗る人物から「介護保険料の過払い金がある」などと電話があり、電話口の人物に促されるまま郵便局内にあるATMで手続きをしようとしていました。
郵便局員の大濱さつきさん(47)は、スマホで話をしながらATMを操作する女性を目撃して「何かがおかしい」と感じ、様子をうかがうために女性に近づきました。
どうやら女性が電話で話す相手は女性の知人ではなさそう…
さらに、その”まさか”が”確証”に変わった瞬間ありました。
電話から漏れ聞こえてくる、威圧的な態度や言葉巧みに誘導する手口をどこかで目にしたことがあったのです。
特殊詐欺が多発する年末は、役場や警察が被害を未然に防ぐため、各郵便局にも注意を呼びかけていました。数日前にも平安座郵便局には役場の担当者が注意を呼びかけるため足を運んでいて、大濱さんも警察から届いた「被害防止ポスター」を局内に掲示したばかりでした。
郵便局員 大濱さつきさん
「これはそうだな、と思って女性の肩をぽんぽんと叩いて、”待って”と」