高知県仁淀川町で200年以上続く「秋葉まつり」が2月11日に行われます。27日、祭りに参加する3つの組が合同練習を行い、参加者は伝統を後世に受け継ごうと熱い思いで練習に励んでいます。

愛媛県との県境に位置する仁淀川町別枝地区には、230年ほど前から受け継がれている伝統の「秋葉まつり」があります。祭りでは沢渡、霧之窪、本村の3つの組からなるおよそ200人の行列が、秋葉神社までの3キロの山道を1日かけて練り歩きます。

本番を2週間後に控えた27日土曜日、長者小学校では3組の合同練習が行われました。祭りでの大きな見せ場は「鳥毛ひねり」。およそ7メートルの毛やりを2人が投げ合う姿は、迫力があり圧巻です。

霧之窪組で大役を担うのは掛水貴大(かけみず・たかひろ)さん。鳥毛(とりけ)役として3回目の参加です。

(霧之窪組 掛水貴大さん)
「毎回最後という気持ちで全力で楽しんで悔いが残らないように。少しでもきれいな踊りで人に感動を与えられるように意識している」

掛水さんとペアを組む片岡太星(かたおか・たいせい)さんは、鳥毛役として参加するため高知での就職を決めたというほど小さい頃からの憧れだったといい、今の子どもたちにも地元の良さが伝わるよう頑張りたいと意気込んでいます。

(霧之窪組 片岡太星さん)
「いつかは鳥毛ひねりをしたいと思って、自分たちがやりきることもそうだが子どもたちに鳥毛ひねりをやってみたいと思わせれたらと話していて。子どもたちにやってみたいと思わせる鳥毛ひねりをして、いつかは子どもたちが巣立った後も仁淀川町に秋葉まつりをしに帰ってこられるような鳥毛ひねりにしたい」

「秋葉まつり」は本来、地元の子どもたちが参加する祭りですが、別枝地区には子どもが1人も暮らしていません。このため仁淀川町だけでなく、佐川町や高知市からも参加してもらっているといいます。

秋葉神社祭礼練り保存会の片岡和彦(かたおか・かずひこ)会長は少子化が進むなか、先人たちが守ってきた伝統を知恵を絞りながら受け継いでいきたいと話します。

(秋葉神社祭礼練り保存会 片岡和彦 会長)
「これからも続けていってもらって、高校生や就職してもまた大人になって帰って来てもらって子どもたちを指導してもらうことを期待しているし、そのように人材育成していかなければいけない。われわれの別枝地区にきてもらって、道中一緒に歩いてもらったら(祭り)そのものがきっと楽しい」

地元の人たちの熱い思いがこもった伝統の秋葉まつりは、2月11日に本番を迎えます。