ウクライナ侵攻を支持する親プーチン政権の軍事ブロガーが殺害された事件で、ロシアの軍事裁判所は実行犯の女に懲役27年の判決を言い渡しました。女性に対する刑としては過去最長だということです。

この事件は去年4月、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクのカフェで起きた爆発で、「タタルスキー」のペンネ―ムでウクライナ侵攻を支持してきた軍事ブロガーが死亡したものです。

軍事裁判所は25日、爆発物が仕込まれた像を軍事ブロガーに渡したとして、実行犯のトレポワ被告に対し、テロ行為の罪などで懲役27年の判決を言い渡しました。トレポワ被告は爆発物だとは知らなかったと無罪を主張していましたが、認められませんでした。

ロシアメディアによりますと、女性に対する刑としては過去最長だということです。

一方、モスクワの裁判所は25日、ウクライナ侵攻をめぐるプーチン政権の対応が消極的だと批判してきたロシアの情報機関FSB=連邦保安局の元大佐、イーゴリ・ギルキン氏に対し、「過激な行為を呼びかけた」として懲役4年の判決を言い渡しました。

ギルキン氏は、2014年に独立を宣言したウクライナ東部の親ロシア派勢力「ドネツク人民共和国」の国防相を一時務め、298人が死亡したマレーシア航空機撃墜事件に関与したとして、オランダの裁判所から終身刑を言い渡されています。

ギルキン氏は今年3月のロシア大統領選に立候補の意思を示していましたが、必要な届け出を中央選挙管理委員会に提出することができませんでした。